実は、塗装業は免許や資格や許可書を持っていなくても事業を始められます。とはいえ、業界の技能や事業の信頼性を維持するため、様々な機関が塗装業者や塗装工を審査し、許可書や資格を与えています。
「どのような塗装業者を選んでいいかわからない」という方は、塗装業者選びの際にこれらの資格や許可書を取得しているかは信頼度を測る一つの指標になるでしょう。もし検討中の塗装業者のホームページがあれば、会社概要等に記載されていることが多いので是非チェックしてみてください。
国や行政が与える塗装に関する資格や許可書
一般的に民間資格に比べて社会的な信頼性や信用性が高いといわれている国や行政が運営する資格や許可証についてです。以下の2つを持っていることが優良塗装業者かどうかの1つの基準です。
建設業許可(塗装工事業)
各都道府県の知事が認定する許可です。建設業許可の対象業種28のうちの1つで、塗装工事に関する許可です。埼玉県で許可を得るには、下記の要件をすべて満たしている必要があります。
1. 経営業務の管理責任者がいること
2. 専任技術者を営業所ごとに置いていること
3. 請負契約に関して誠実性を有していること
4. 請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有すること
5. 欠格要件に該当しないこと
上記にある通り、建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を積むことが取得要件となります。また「請負契約に関して誠実性を有していること」という要件もあり、許可自体も有効期間は5年で都度更新が必要なため保有している塗装業者は一定レベルで信頼できます。
500万円以上の塗装工事をする場合は必須になりますので、マンション等、中規模、大規模な塗装工事をご検討の方は必ずこの許可証を保有する業者を選びましょう。
営業所等が複数あり都道府県をまたぐような業者の場合は、国土交通大臣の認定許可となります。
国土交通省のホームページ内に、国土交通大臣または各都道府県知事の許可状況を検索できるシステムがありますので気になった方は是非検索してみてください。
一級塗装技能士:厚生労働大臣認定
優れた塗装工かどうかを厚生労働大臣が認定する資格です。こちらは下記の記事で詳細に記載していますので是非チェックしてみてください。
その他の資格
塗装業では化学塗料の使用や、高所作業、施工管理等に関する資格も取得している業者もあります。安全で衛生的な施工にはこういった資格も保有しているなお信頼できます。
- 有機溶剤作業主任者
- 特定化学物作業主任
- 乙4種危険物取扱者
- 塗装科・職業訓練指導員
- 高所作業車運転者
- 施工管理技士
- 二級塗装技能士
民間団体が運営する資格
マイクロソフトさんが認定するExcelエキスパートの資格のように、民間資格はよりニッチで専門的な分野であり、業種や業務内容によっては国家資格以上に評価されるものがあります。また国家資格ではフォローできないような現場レベルで必要な技能や専門的な知識をカバーするような資格もあります。
塗装業界でも痒い所に手が届くような資格が多く存在します。各資格別にどんな分野に関わる知識や技能なのか表にしてみました。
塗料 | 外壁や屋根素材/構造 | 外壁や屋根の劣化や補修 | 雨漏り | 工法 | コスト | カラー | 安全衛生 | |
外壁診断士 | 〇 | 〇 | ||||||
外壁劣化診断士 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
雨漏り診断士 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
雨漏り鑑定士 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
カラーコーディネーター | 〇 | |||||||
職長・安全衛生責任者教育 | 〇 | |||||||
足場の組立て等作業主任者 | 〇 | |||||||
ゴンドラ取扱特別教育 | 〇 | |||||||
リウォール診断士 | 一部 | 一部 | ||||||
マスチック仕上士/マスチック仕上性能管理 | 一部 | 一部 | ||||||
窯業サイディング塗替診断士 | 一部 | 一部 | 一部 | |||||
自由研削といし特別教育 | 一部 |